糸井の抹消から見る、来シーズンに向けた動き

11.2

本日付けで糸井が抹消。

今シーズンは、序盤好調、中盤不調、9月以降の終盤戦で調子を戻した。

打率.268、2本塁打。再登録はないだろうから、これが最終成績になりそう。

シーズン序盤の苦しい時期に、梅野と2人で打線を牽引してくれたのは好印象。しかし連戦が続く大事な夏場に調子を落としたのは残念だった。糸井らしくなってきたのは、巨人優勝がほぼ決定的になってから。本人としては不本意なシーズンだったかもね。

今年は4年契約の最終年ということで、気になるのは来シーズン以降の契約。

1〜3年目は十分力を発揮してくれた。糸井、福留、近本がレギュラーで、ベテラン2名の休息日に高山や中谷が出場するというパターンが確立された。糸井の獲得前は「若手の育成を阻害する」という見方も強かったけど、反対意見は自ら活躍することでねじ伏せていった。いま振り返ってみれば、補強と育成を両立できる環境だったと思う。

想定外だったのは、そんななかで、両ベテランをベンチスタートさせられるような外野手が、近本のほかに現れなかったこと。

高山、中谷、陽川、江越らが、レギュラーを掴みそうで掴みきれず、ベテラン頼みの采配が続いた。ベテランに忖度したわけではなく、よりよい結果を残せる選手がたまたまベテラン2名だったということ。こればっかりは、実力主義のプロの世界においては仕方がない。

しかし今シーズンは、少し状況が変わってきた。福留の退団が決まり、糸井が成績を落としてしまったなかで、

近本が2年目も変わらず活躍してくれた。

期待されていた陽川が確かな成長を見せてくれた。

島田が、地味ながら着実にチームに貢献できるプレーを続けている。

ルーキー井上が1軍デビューして、大きな経験を積んでくれた。

圧倒的な実力でベテラン2名からレギュラーを奪い取ったわけではないのが寂しいところではあるけど、世代交代を感じさせる変化が見られたのも事実。

また、ドラフトでは大型新人の佐藤を獲得、本職は内野だけど外野手として起用するプランもあるとか。

チームとしても、福留、能見、上本が退団、藤川が引退と、加速度的に若返りが進行している。糸井自身、下半身のコンディション不良で守備走塁に不安がある。それなら代打で!といきたいところだけど、代打での打撃成績があまりよくないので、代打の切り札としても起用しにくい。

このあたりの事情を考慮すると、来シーズンは単年契約が妥当なのかな。実力が分かっている糸井はコンディショニング優先で抹消して、ほかの選手、特に若手を試したいという狙いがありそう。

ひょっとすると、戦力外候補の選手たちを見極めるための起用が続くかも?もしくは、退団しても現役続行を希望している福留や上本、能見を起用するとか?

なんにしても、これから登録される選手にとっては大きなチャンス。残り試合は少ないが、悔いなくプレーしてほしいね。