「いつものソフトバンク」の強さ

11.22

日本シリーズ一戦目が終了。ソフトバンクが1-5で勝利。

菅野と千賀、両チームのエースが投げ合う試合は、緊迫した投手戦になるものとばかり思っていたのに、予想に反して序盤からゲームが動いた。

打っては先制、中押しの4打点を挙げる大活躍の栗原。よく粘り、自慢の足でチャンスを拡大させた周東。ダメ押しの追加点で試合を決定づけた中村。

投げては7回無失点の千賀。8回ピシャリのモイネロ。ややバタついたものの、しっかり役割を果たした森。

ほかにも、2安打に加えてレフトフェンス際の飛球を好捕し守備でも存在感を示したグラシアル、無安打ながらツーアウトから粘りに粘って出塁、中押しの2打点を演出した柳田など、選手たちの活躍がよく目立っていた。

きちんとソフトバンクの試合を見る機会が少ない阪神ファンとしては、ソフトバンクの強さに驚かされるばかり。初戦の入り方が最重要視される日本シリーズ、両監督が絶対に勝つつもりで投手起用し、采配を振るった試合において、ここまで圧倒的な試合運びができたのは見事と言うほかない。

しかしパリーグ通、特にソフトバンクファンからすると、これが「いつものソフトバンク」ということらしい。嘘だろ…

一方の巨人が「いつもの巨人」だったかというと…正直、まだ何とも言えない。

シーズン終盤にやや調子を落としていた菅野も、この試合に向けてビシッと調整してきたのだろう、不安要素なく投げていたように見えた。

しかし打線のほうは4安打と沈黙。「いつもの巨人」ならこうはならない気もするが…。これが打線の状態によるものなのか、本拠地を使えないことによるものなのか、ソフトバンクバッテリーに抑え込まれたのかは不明。どっちにしても、短期決戦でこれはまずいし、大舞台で「いつもの」パフォーマンスを発揮できるかどうかも実力のうち。

多くのプロ野球ファンが指摘しているように、リーグ間のレベル差が開きすぎてしまっているのだろうか。

大城の配球や菅野の投球は「経験不足、研究不足」「栗原を甘く見すぎた」、原監督に采配には「若い大城の起用はナンセンス」「菅野を過信している」と批判されているが、レギュラーシーズンでは十分通用しており、実際に大差でリーグ制覇している。結果論で語られると苦しいが、個人的にはベストを尽くしたプレー・采配だと思っている。

…じゃあやっぱり、セリーグ球団相手には通用するけどパリーグ球団相手には通用しない=リーグ間に明確なレベル差ありってことになるのか? 最大7戦のうち、まだ初戦が終わったばかりで、大勢が決したとは言えない状況。仮に、本当に両チームに明確な力量の差があったとしても、結果がどうなるかは分からないのが短期決戦。2戦目も要注目。