12.11
韓国球界のロハス、アルカンタラ。元ロッテのチェン。かなりのビッグネームを大胆に補強したほか、金銭トレードや戦力外選手の獲得もおこなった。
相当なお金が動いたはずだけど、コロナ禍で球団経営も苦しいなかで、どうやってやりくりしたのか。
普通に考えれば、ベテランの引退、退団、大減俸と、ボーア、ガルシアの退団で結構な余剰が生じたおかげ。
もちろん、補強を見据えての対応ではない。チーム編成をおこなうなかで、結果的にそうなったにすぎない。
しかしこの件については、メリハリの効いた首脳陣の判断を評価する意見もある一方、「功労者への扱いが悪い」「コーチや監督候補として囲い込みするべきだった」といったネガティブな意見も少なくない。
個人的には、今回のベテランへの対応と助っ人退団は、仕方のないことだったように思う。
結果が出れば賞賛され、結果が出なければ相応の扱いを受ける。それはベテランも助っ人も若手も関係ない。契約更改を大減俸で終えた糸井が語ったとおり、「アカンかったらこうなる」とはまさにこのこと。
しかし糸井は続けて、「そのなかで一定の評価と、契約をもらってありがたい。納得している」とも語っている。意外性のある言動のイメージが先行して、親しみをこめて宇宙人と言われることもあるが、やはり一流の考え方、プライドを感じさせられる。プロの世界の厳しさを受け入れ、プロ根性で立ち向かう姿勢は素晴らしい。
福留と能見も同じく一流の選手であることを考慮すると、糸井と似たような考えを持っているんじゃないかと思う。所属球団で構想外になるのも、活躍の場を求めて他球団へ移籍するのも自然なこと。功労者だからといってやたらと厚遇したり、選手が望むとおりに契約を更新し続けることが正しいとは思えないし、そもそも一流の選手はそういう扱いを望まないだろう。
まあ、福留に関してはタイミングも悪かった。コロナ禍で球団が苦しいなかで、彼自身もコロナ関連でふさわしくない行為が。実力、実績、人望ともに申し分ない選手でも、球団社長が引責辞任する事態になった以上、こういう別れ方になるのも仕方がないのかも。
ボーアもあと一年様子をみたいところではあったけど、陽川の成長と佐藤加入、さらにはロハス獲得ときたら何も言えない。
結果的にチームの代謝が活性化して、戦力底上げと競争激化が見込めるのだから、一連の編成作業はおおむね成功だったと言えそう。
しかし本当に成功だったかどうかは、シーズンが始まらないと分からない。楽しみやね。